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2010年8月

2010年8月30日 (月)

初めての主管

昨日、大野組の親鸞聖人のお待ち受け法要がお勤まりになりました。

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坊守日記でも紹介がありましたが、
福井雅友会の雅楽の奏楽員として出勤させていただきました。

そして、初めて主管(リードする役割)をさせていただきました。

たくさんのお参りもあり、緊張しましたが
なんとか未熟なりに吹ききれました。coldsweats01

少し、雅楽について触れてみますと、聖徳太子が儀礼や
法要に際して雅楽を用いることをすすめられたのが始まりと言われています。

ですから、雅楽は宮内庁だけの宮廷音楽ではなく、
寺院でも古くから用いられてきました。

初めて雅楽を法要で聞いた人は、
驚いたかもしれませんが、これが本来の形です。

こういった法要を通じて、また違った法味を
感じていただければ、それもいいご縁であります。

写真なども載せたいと思ったのですが、
写真を撮る暇もなかったので、申し訳ありません。

坊守が写真をブログで掲載しているので、そちらもごらん下さい。

2010年8月29日 (日)

大野組お待ち受け

本日、8月最後の日曜日、猛暑が続く中、1200人以上の参集者を迎え、「親鸞聖人750回大遠忌 大野組(おおのそ)お待ち受け法要」が行われました。

お待ち受け法要の記念講演には、「法話楽団・迦陵頻伽が出演される」ということで、知人6人をお誘いして行って来ました。

  ・会場:おおのまちなか交流センター(旧有終西小体育館)
  ・時間:1時半~5時Photo

会場に入ろうとすると、日頃何かとお世話になり、今回の法要の整理券を融通してくださったM氏とバッタリ出会い

そして、会場に入るなり、お待ち受け法要でトーンチャイム(右の写真)を演奏されるM女史とバッタリ出会い

はたまた、空席を探していると、会場の下見をされていた法話楽団の主宰者、西脇顕真師とバッタリ出会いました。

次々に知友の方々と遭遇し、よくよくのご縁に、法要の盛儀を予感しました。

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この夏は、モ~~あの手、この手で、厳しい暑さ対策に苦慮しておりましたが、有り難いことに、会場は寒いほどの冷房の効きようです。

偶然にも、羽織るものを一枚持って行ったのは正解でした。
Photo_2おかげさまで、気持ちよくお聴聞できました。

1時半より、大野組(おおのそ)の組長(そちょう)、誓念寺ご住職の藤井道明師によるご挨拶に続き、福井教区雅友会会員による雅な雅楽の演奏のもと、勤行が開始されました。

微力ながら、拙寺の若院も、篳篥(ひちりき=縦笛の一種=右の写真)でお手伝いです。

雅楽の音色もさることながら、導師や法中方の趣向を凝らした入場など、特に舞台演出が印象に残る素敵な法要でした。

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親バカで、若院の演奏する姿を撮ったのですが、ステージまで遠いのと、会場が暗いのとで、ハッキリ分かりませんが、中央で演奏しているのが若院です。

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勤行の後、いよいよ「法話楽団・迦陵頻伽」による講演です。

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今回の講演では、ご法話1名、演奏者3名の計4名です。

講演では、童謡などの馴染みの歌を交えながら、優しく、分かりやすく、仏さまのみ教えをお取り次ぎくださいました。

いつもながら、西脇師のささやくような甘い声と、伴奏、ハーモニーが、なお一層の臨場感を醸し出し、心に染み渡ってきました。

    南無阿弥陀仏という仏さまの名を呼ぶのは、この私だけど、
    呼ばせるのは、仏さまの慈悲の深さであります。

    そして、愛を注いでくださる方の名前を、呼ばずにはおれないのです。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

おかあさん
作詞:西條八十  作曲:中山晋平
おかあさん おかあさん
おかあさんてば おかあさん
なんにもご用はないけれど
なんだか呼びたい おかあさん

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

今回、この「おかあさん」は、歌われませんでしたが、当に「この『おかあさん』の歌の世界」なのであります。

今回も、迦陵頻伽の皆さんは、野口雨情の歌をたくさん歌って下さいました。

その中でも、「シャボン玉」の歌からは、「命の儚さ、愛おしさ、だからこそ精一杯飛ばすんだ。生きるんだ」という強いメッセージを感じました。

迦陵頻伽の歌と演奏は、会場と一体となったすばらしい講演でした。

講演の後、大野組(おおのそ)内の保育園児達、約80名による「仏教讃歌」や「童謡」など、5曲の歌の披露がありました。

もみじのようなかわいい手が合わさり、「のんのさま」を歌う姿に、思わず合掌したことです。

園児たちを引率してきた保護者の皆さんにとっても、またとない仏縁となったに違いありません。

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この度の法要の締めくくりは、もちろん、恩徳讃です。

大野組(おおのそ)の仏教婦人会の有志が、この日のために日々トーンチャイムの練習を重ね、いわば「一年間の総決算」とも言うべき「恩徳讃の演奏」です。

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仏教婦人会の皆さんが奏でるトーンチャイムの、その柔らかく響く、美しい音色は、モーそれはそれは素敵で、すっかり身も心も癒されました。

今回の法要で、近頃、何でも簡単に、楽なやり方でことを済ませる風潮になりがちですが、「みんなでことを成し遂げることの素晴らしさ」、ひいてはそれが、「人に力を与えることに繋がる」ということを、改めて教えられました。

本当に法要の関係者の皆様、お疲れ様でした。

2010年8月27日 (金)

福井教区 少年の集い

年に一度、夏休みの時期に合わせて開催される「福井教区 少年の集い」が、今年は勝山を会場として開かれました。

この「少年の集い」は「イベントをメインにした行事」なので、まず「イベント会場の近くのお寺で開会式を勤め、それからイベントを楽しむ」という行程になっています。

なんと、今年は「勝山を会場に」ということになり、我が西宮寺が開会式の会場を仰せつかり、それからイベントの恐竜博物館へ直行という計画です。

それで「住職は?」というと、いつものごとく「坊守よ、私の留守中のことは、頼むな!」と、北海道へ法耕の道中です。

私も「開会式だけなら‥‥」と、気楽に考えていましたが、参加者が110名もあります。(聞いてないよう~)

  • この小さな本堂に110名も入れるの?
  • 暑い時に本堂はサウナ状態になるのでは?
  • 博物館へ行く前に熱中症になるのでは?

などなど、小さき心を、か弱き心を、痛めておりました。

やはり「少年の集い」の当日も、すこぶるいい天気です。天気予報では、「今日も洗濯物が外で乾くでしょう」などと言っています。

思わず、「そんな悠長な暑さじゃないでしょ!」と、天気予報にツッコミを入れてしまいました。

ともあれ、準備万端(?)整えて、子供たちの到着を待ちます。

9時30分からの開会式に間に合うように、遠くは若狭から6時半に出発してきた子供もいます。

本堂の引き戸を全部取り外した甲斐もあって、風通しが良くなり、また、間口も広くなり、100人以上の子供たちがスムーズに入ることができました。

おかげさまで、開会式を定刻に始められ、みんなで礼拝の歌をお勤めし、ご輪番よりご挨拶を頂きます。

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さすがです。子供たちは、それぞれの日曜学校で経験済みですから、作法や、お勤めなどは慣れたものでした。

開会式は、40分ほどの短い時間でしたが、この西宮寺の本堂で福井県中から集まった子供たちと会えるなんて、またとない機会です。

きっと、子供たちの記憶に残ってくれることでしょう。

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今回の会所となった西宮寺を代表し、私は手遊びも交えながら、子供たちに挨拶をしました。

無事に開会式も終わり、子供たちは、お楽しみの恐竜博物館へ出発です。

現在、恐竜博物館では、「10周年記念展 アジアの恐竜の幕開け」と題して、いろいろな展示がされており、興味深いと思います。

お昼は、バーベキュー施設で、なーんと焼き鳥を焼くそうです。本当に引率のご住職、坊守様たちご苦労様です。

子供たちは、きっとこの暑い夏の焼き鳥の味を忘れないでしょう。熱中症に気を付けてね!

2010年8月26日 (木)

念仏奉仕

8月26日は、「龍川組(りゅうせんそ)の仏婦の行事」で、福井西別院の清掃と聴聞の集いがあり、参加してきました。

市民との協働による存続に向けた取り組み「乗って残そう越前鉄道!」の実践も兼ね、勝山駅から仏婦の皆さんと朝8時3分の電車に乗り込み、ワイワイ、ガヤガヤと元気に出発です。

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別院に到着したら、すぐに「讃仏偈」の勤行。勤行の後で、ご輪番さんからごあいさつをいただき、「いざ出陣!」です。各自持ち場に別れました。

清掃は、「本堂チーム」、「別院4階から下の階へ進むチーム」、「下から上へ進むチーム」の3班に分かれて行いました。

最初は、皆さん元気におしゃべりしながら作業していたのですが、そのうち暑さと疲れで、誰一人しゃべる人もいなくなってしまいます。

私などは、ただ目の前の仕事に、まるで「夢遊病者のように取り組んでいるだけの動作」に早変わりです。

しかし、「自分の持ち場だけは、なんとしてでも終わらせねば」という責任感から、なんとか最後までやり通すことができました。

必死に掃除をしていたので、皆さんの奮闘ぶりをデジカメに撮ることなど、すっかり忘れてしまいました。

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あ~あ、疲れた、でも満足

お陰で清掃は、予定より30分も早く終わり、クーラーの効いた食堂でしばしの休息をとり、昼食に持ち込みのお寿司のお弁当をみんなでいただきました。

これがまたおいしい! ペロリと頂き、グググイッと冷茶を飲むと、玉のように出した汗は元の木阿弥、いつもの体重に戻るのである。

このたくましさ、これは、平穏な日々こそ、幸せのあかしかも。

午後は、別院の常例法座を、お内仏の間でお聴聞させていただきました。

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今年は猛暑のため、お内仏の間にはしっかりと冷房が効いています。(イャー助かったあ~)

常例法座のご講師は、大阪教区の若手布教師、佐々木徹生師です。私は初めてのご縁ですが、佐々木師は福井へ数回来ておられるそうです。

佐々木師は、ご法話の中で「やれば時間内にご法話を終わることができるじゃないですかと、昨日、初めて別院の職員の方から褒められた」と言われます。

(つぶやき‥‥エッまさか今日は、延長じゃないでしょうね)

気持ち早く終わって下さいました。今回のお座が福井別院での最終日ということで、「飛ぶ鳥 後を濁さず」なのでしょうか?

  行といわれる 何ほども出来ないこの身は
  如来様より賜りたる行=大行を頂くこと=他力
  たとえば、釘が磁石の中に入ることにより磁力化される
  この磁石に引きつけられる力を他力という

ウ~ン 分かったような、分からないような‥‥。冷房も効いて快適にお聴聞できるはずなのに、ところどころ途切れているのはなぜ?

しっかり覚えているのは、時々聞こえる「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、ありがたい」というその声が、また無性に心地よく至り届いたことです。

聞き上手は、話上手。ドップリと別院にも浸かり、帰路も26名の方と電車の旅を楽しむことができた一日でした。

いつも、「お寺に来て下さい」と、お願いばかりする側ですが、今回、お寺に足を運んでくださる方の大変さが、身に染みるご縁でした。

(再びつぶやき‥‥ウチにも念仏奉仕団が来てほしいなあ~)

2010年8月23日 (月)

音楽家のたまごたち

かつやまの
音楽家のたまごたち
コンサート2010

8月21日の夜、上記のコンサートが、勝山市民会館で行なわれました。

今回のコンサートでは、来る11月28日に、同じく勝山市民会館で開催される「トヨタ・コミュニティーコンサート in 恐竜のまち かつやま」で、福井室内管弦楽団と協演できる「協奏曲ソリストオーディション」も兼ねていました。

3万人を切った勝山市ではありますが、スポーツにおいても小学のバトミントンで全国一位を連続で維持している子や、高校の太鼓で優勝、相撲で全国大会出場などなど、輝かしい成績を収めていることに「称賛」と「敬意」を感じている今日この頃です。

そこで、「文化的にはどうなのかな?」と、コンサートを聞きに行って来ました。

出演者は、成人までの子供たち15人です。

小学2年から大学2年までの男女による、ピアノ、フルート、チェロ、声楽に渡っての演奏は、残暑の疲れが癒される思いがしました。

私は、ピアノも弾けなければ、フルートも吹けず、ただ法螺(ホラ)だけは吹くのですが、従って、技術的にどうのこうのは、全く分かりません。

そんな私てすが、出演者たちの舞台度胸のよさ、真剣な取り組みに、安心して酔いしれることができました。

なんと3人が同じ曲を演奏されたのですが、「演奏者でこうも違うのか」と、それぞれの表現の巧みさに「まさに『みんなちがって、みんないい』そのままだなあ~」と、一人うなづいておりました。

ソリストオーディションの審査結果では、審査員3人の方が、4人の卵たちを選んで下さいました。

どの子がオーディションに合格しても、文句なしの出来栄えでした。次回のコンサートも楽しみです。

レベルの高いコンサートが、市民レベルで、そして、市の助成も受けて行われていることにもプチ自慢しちゃいます。

きっとこの子たちは、世界に羽ばたく音楽家に成長する、、、かもよ

2010年8月21日 (土)

八月の常例法座

2ヶ月ぶりに、常例法座に出勤しました。
なかなか法務の予定が合わずにご無沙汰していました。

しかし、この夏の暑さは異常ですね coldsweats01
衣を着て出勤していると、汗が止まりません。

それでもこの暑い中、たくさんの方がお参りくださいました。
本当にありがたいことです。

昨日は日中の1席だけ、お取次ぎをさせていただきました。
お盆も過ぎたのですが、最初にお盆について話をしました。
7月15日は孟蘭盆会の日であり、その由来などを簡単に説明しました。

一般的には8月15日がお盆のように言われがちですが、
これは月遅れの盆であり本来は7月であるということ。

福井では7月が多いですね。
京都や関西圏、都市部では8月15日が通例のようです。

今回法話でお取次ぎしたテーマは
「迷信に惑わされてはいけない」ということです。

現代社会では科学の発展に伴い、わからない事などないくらい
人の疑問や悩みが解決されてきました。

しかし、このような現代でも人は迷信に惑わされたり、
振り回されることが多くあります。

例えば、占いや神頼みなどです。

未来が不安になり、占いで良し悪しを決めてもらう。
何かの行事をするにあたって、その日が吉日かどうかということです。

また、神頼みのことを言えば、選挙活動をしている議員さんであったり、
スポーツ選手などです。

勝負事になれば、運や自分達ではどうしようもないことがあります。
そこで、神様などに頼む。

実際はなんの根拠もないことでも、
自分の力ではどうしようもない事になれば、なんでもすがってしまう。

身近な所で言えば、受験の合格祈願などもそうです。
無宗教と言われる現代でもそのような、誤った信仰が蔓延しています。

 

私達、お寺の世界も例外ではありません。

お同行の中には、墓の新設にあたり
魂抜きをして欲しいと頼んでくる方が多いです。

魂などは浄土真宗ましてや仏教では否定するものであるのに、
いつのまにか間違った教え、迷信が広がっています。

49日の逮夜参りにしても、3ヶ月にわたる場合は
2ヶ月で繰り上げて終わりにしてほしいとも言われます。

これは、「始終苦が身に憑く」
・・・49日 3か月(みつき)という数字のごろ合わせです。

 

このように、科学がすべてで、宗教を信じないという方が
一番迷信に陥りやすく、危険であるといえます。

浄土真宗の教えは祈祷やまじないに頼らず、阿弥陀如来の本願を信じ、
念仏申してご恩報謝の生活をおくるということであります。

ですから、困難な出来事にぶつかった場合、
自分ではどうしようもない事になった時は、
仏さまにこの身をすべておまかせすることです。

そして、悩みができた時やどうしようもない時は、
占いや迷信に惑わされるのではなく、
仏さまの智慧に尋ねてみてはどうでしょうか?

お寺参りをして、法話を聴聞させていただく事で、
今まで何も見えてなかったと気づかされていく教えが浄土真宗であります。

ご縁がありましたら、どなたでも西宮寺にお参り下さい happy02

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追伸:息子が14か月で歩けるようになりました

次回お目にかかるまでバイバイ paper

2010年8月19日 (木)

人間のエゴ

梅雨明けと同時に猛暑が続き、旧盆前後に局地豪雨に見舞われた今年の夏です。

そして、人間は急激な温度変化に対応できず、熱中症により病院に搬送される人が相次いだ夏でもあります。

18日付の新聞によると、なんとその数は3万人を超え、直後に亡くなった人は132人、福井県でも10人が亡くなったというのだから驚きです。

それに比べ、寺の境内の草は、猛暑だろうが、雨が降らなかろうが、おかまいなしの知らん顔です。

日照りの時は「ジッと我慢の子」であったのに、雨が降るとアッという間に伸びている。

水分を吸収した時の勢いの凄いのなんのって、「エーーッ!いつの間に」と目を疑うほどである。

私にとって夏は、草むしりとの戦いです。

ですが、よく考えてみると「雑草」という名の「草」はなく、人の都合で「雑草」と呼び、これまた人の都合で害あるがごとく根こそぎ引っこ抜いてしまう。

同様に、「雑魚」という名の「魚」もいない。「雑菌」という名の「菌」もいない。食べ残しや残り物であって「残飯」という食べ物はない。

このような「人間のエゴからつけている呼び名」は、数え切れないほどある。

人間は、生物の霊長のごとく振る舞い、人の都合の悪いことはお構いなしに取り除いていく。

口蹄疫で家畜類が殺処分されたとき、「なんてかわいそうに」という声もたくさん聞かれた。

また、家畜主も「どうか感染していない家畜は、殺さないでほしい」と哀願されていた。

しかし、この場で殺処分されなくても、いずれ食肉用として処分されることには違いない。

野生動物は、欲張らず、自分の住処と必要な餌だけを確保し、慎ましやかに生きている。

ところが、我々人間は「これでもか、これでもか」と、必要以上に欲の塊と化している。

私も、直接に手は下さなくとも、しっかりその恩恵を被っている。

いつになったら小欲知足になれるのだろうか?

クダクダと言いながら、目先の欲徳に必死になって日々を送っている私。

そして、今日も「なんで草って、こんなに早く伸びるの?」と、ぼやきながら草と闘っている私。

引っこ抜いても、引っこ抜いても、次から次へと生えてくる草に、私の欲をダブらせながら、終わりなき戦いに挑むのである。

しかし、私が勝ったこともある。

それは、これだけ汗を流しても、絶対に痩せない私の体重である。

これが本当の「雑草魂」である。

2010年8月17日 (火)

くじけないで

今日は、92歳から詩を書き始め、98歳で処女詩集を発刊された柴田トヨさんの「くじけないで(株式会社 飛鳥新社 刊)」をご紹介します。

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明治生まれのトヨさんは、20歳の時に半年で離婚され、33歳で2度目の結婚をされ、一人息子にも恵まれ、贅沢ではなかったけれど、それなりの生活をおくられます。

平成4年、ご主人と死別。それ以来、趣味の日本舞踊を慰めとして来られたのですが、腰を傷め、ふさぎこんでしまわれます。

それを見るに見かねた息子さんが「詩でも書いてみたら」と勧め、「92歳から詩を書き始めた」というのですから驚きです。

だって、トヨさんの詩は、本当に素直で、純粋で、切なくて、かわいくて、それでいて力強くて‥‥‥。

ホーント、「私もまだまだいけるかな」と、変な勇気が湧いてくる詩なのです。元気づけられる詩なのです。

ウ~ン、ここまで言うと、まるで「恋人自慢」と間違えられそう。

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 返事
   風が 耳元で「もうそろそろ あの世に いきましょう」なんて
   猫撫で声で 誘うのよ
   だから 私 すぐに返事をしたの
   「あと少し こっちに居るわ やり残した事があるから」
   風は 困った顔をして すーっと帰って行った

 先生に
   私を おばあちゃんと 呼ばないで
   「今日は何曜日?」
   「9+9は幾つ?」
   そんな バカな質問も しないでほしい
   「柴田さん 西条八十の詩は 好きですか?
   小泉内閣をどう思います?」
   こんな質問なら うれしいわ

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

90代でこんなに気丈でいれるトヨさん。こんなに頭の回転がいいトヨさん

トヨさんの紡ぎ出すその瑞々しい言葉の数々に感服します。

すでに私なんか、「ご門徒さんの名前は出てこない」とか「単語が出てこない」とかで、寂しい気持ちの今日この頃なのです。

でも、トヨさんだって、元気な時ばかりではありません。

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 自分に
   ぽたぽたと 蛇口から落ちる涙は 止まらない
   どんなに辛く 悲しいことがあっても
   いつまで くよくよしていては だめ
   思い切り 蛇口をひねって 一気に涙を 流してしまうの
   さあ 新しいカップで コーヒーのみましょう

 さびしくなったら
   さびしくなった時 戸の隙間から 入る陽射を
   手にすくって 何度も 顔にあててみるの
   そのぬくもりは 母のぬくもり
   おかさん がんばるからね
   呟きながら 私は、立ち上がる
   自分を奮い立たせるがの如く

 くじけないで
   ねえ 不幸だなんて 溜息つかないで
   陽射しやそよ風は えこひいきしない
   夢は 平等に見られるのよ
   私 辛いことが あったけれど 生きていてよかった
   あなたもくじけずに

 秘密
   私ね 死にたいって 思ったことが 何度もあったの
   でも 詩を作り始めて 多くの人に励まされ
   今はもう 泣き言は言わない
   九十八歳でも 恋はするのよ 夢だってみるの
   雲にだって 乗りたいわ

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

なあんて、もっといろいろトヨさんの詩はあります。

どんなに気丈に振る舞ってみても、寄る年波に心細さや、寂しさがを感じないと言えば嘘になる。

それを奮い立たせ、一人住まいを続ける気力は、一体どこから湧いてくるのでしょうか。

訪問治療をしてくださる主治医の先生、毎日来てくれるヘルパーさん達。

また、いろいろな形で励ましてくださる友達や、仲間、もちろん家族、その他大勢の人たちの愛情に支えられているおかげなのでしょう。

目には見えなくとも、ご縁のある方々の温かさをしっかり感じておられるからなのでしょう。

ネッ! 人生、いつだって、これからですもの。

トヨさんの詩からは、「何を始めるにも、遅すぎることはない」と、心を慰められ、励まされるエールが届きます。

皆さん、機会があったら、柴田トヨさんの詩を、ぜひ読んでみてくださいね。

‥‥‥‥‥‥ 株式会社 トーハン(e-hon立ち読みページより ‥‥‥‥‥‥

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2010年8月15日 (日)

豪雨の合間に

西宮寺の周辺では、14日の朝方から集中豪雨でした。

  • 今日の夏祭りは、中止か?
  • 今晩の花火は、できるだろうか?

あれほど日照りの日が続いていたのに、一転して今度は雨ばかりが続きます。

今年は、「はたや記念館ゆめおーれ勝山開館1周年」と「恐竜博物館開館10周年」を記念したイベントとはいえ、そううまくいかないものです。

そんな見通せない不順な天候の中でも、市の職員の方々は朝7時前からテントを張ったりと、夏祭りの準備をされていました。

その後も、雨は降っては止み、降っては止みの、あいにくの空模様です。

天気予報では、「今晩から明日にかけて局地豪雨も予想される」とのこと、夏祭りの関係者の皆さんも、気をもみっぱなしのことでしょう。

それでも、なーんと午後には雨も止み、1時半からの恐竜パレードは、賑やかにスタートしました。

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恐竜パレードは、仁愛女子高等学校の鼓笛隊を先頭に、陸上自衛隊第10師団、市民各チームと続き、最後に動くジオラマ恐竜2体がトラックに乗って登場です。

それは、大変見どころのあるパレードでした。でも、パレードを見ている側は、気楽なものです。

勝山市のイメージキャラクターの「ちゃまごん」と「ちゃまりん」のぬいぐるみの中は、蒸し風呂状態で、さぞ大変だったことでしょう。

関係者の皆さん、参加者の皆さん、お疲れさまでした。無事にパレードも終わり、本当によかったですね。

私たちも、ホッと一息ついたのですが、実は、このパレードの後に行われる「よさこい」が大変だったのです。

しばしの休憩を挟み、3時30分からの「よさこい」が始まるやいなや、またもや土砂降りの雨が降ったり、止んだりです。

不謹慎なのですが、「きっと、よさこいの会場では、大変なことになっているだろう」と、想像しながらこのブログを書いています。

恐竜パレードは、自坊の横に面した道路を通行止めにして行われるため、「我が家が主催? 主賓?」かと思えるぐらいのロケーションなのです。

ですから、賑やかな歓声が聞こえ、玄関から外へ出てみると、目の前に恐竜がいたりするのです。

我が家では、そんな立地のお陰で、「隅から隅まで恐竜パレードを堪能できた」というわけです。

しかし、「よさこい」は会場を移して行われますので、当然そんな悠長なわけにもいかず、また、こんな空模様でしたので、私たちは観覧を諦めました。

ズブ濡れになって踊っている姿を想像しながら、「若者たちにとって、それもまた青春かも!」と楽天的に思う、し~子でした。(すいません)

後で「よさこい」の様子を聞くと、やはり踊りの本番中にも土砂降りの雨が音を立てて降り、踊りが一時中断されたそうです。

それでも、踊り手はズブ濡れになりながら、3回の演技をこなされたそうです。

そして、この夏に寒かったそうです。本当に皆さんお疲れ様でした。

納涼花火大会は、15日に延期となりました。

2010年8月13日 (金)

各地で夏祭り

この時期、毎週土曜日には、各地で夏祭りが行われています。

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毎月お参りに来てくれるT保育園の夏祭りも行われ、さほど大きくない保育園の庭は、保護者などで園児の数の3倍にも膨れ上がります。

カメラを手に家族中が「このシャッターチャンスを逃すものか」とばかりに、夏祭りに参加(?)されます。

毎回、思うのです。法座にも「これを逃してなるものか」と、家族揃って足を運んできてくださったら、どんなに嬉しいことだろうと‥‥‥。

仕事が忙しいわけでもなく、時間がないわけでもなく、法座に行く気がないだけなのです。

他の行事に寄せてもらって、いつもぼやいている私です。

ともあれ、T保育園の夏祭りは、賑やかに行われました。

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毎月、講師として招いてくださるS施設の夏祭りも行われました。

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S施設の夏祭りには、ご家族の方も来られ、入所者と一緒に祭りを楽しまれます。

入所者の皆さんは、ボランティアの方による太鼓演奏、民謡、盆おどり、歌など、いろいろな催しを和やかに、歓談しながら楽しんでおられました。

かき氷、ミニお好み、葛饅頭、焼きそば、うどん、ミニゲームなどの屋台もあり、とても賑やかな夏祭りでした。

施設の職員の方は、鮮やかなゆかた姿で、普段とは打って変わって、しとやかに見えました。(やっぱり、着物姿には、勝てませんよねえ~)

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いろいろな事情から、普段は一緒に住めなくても、ココという時はちゃんと繫がっているものです。

それなのに、新聞を見るたび、100歳以上の高齢者の所在が分からないケースが増えていっています。

今日で250人を超えたそうです。

地域のボランティアによる「子供見守り隊」と並行して、「老人見守り隊」も必要となってきたのかもしれませんね。

なんだか、楽しい夏祭りが、やりきれなくもなります。ともあれ、明日14日は、勝山市の夏祭りです。

勝山市の夏祭りでは、「恐竜パレード」や「よさこい」もあり、夜には8時15分より「花火」も上がります。

私の切なくて、やりきれない気持ちも、花火のドーンという響きや光と共に、パーッと消えてくれたらいいなあ~