« 2011年6月 | メイン | 2011年8月 »

2011年7月

2011年7月29日 (金)

おごりの気付き

今朝は、本町にある4区の子供たちが一堂に会し、「ラジオ体操とお勤めの会」に参加してくれました。

子供たちだけで約40人、そして、大人たちも約40人の参加です。

いつもの「拙寺のある中後区だけ」での「ラジオ体操とお勤めの会」と違って、本日は賑やかな境内となりました。

Img_2825

残念なことに、ラジオ体操が終わり「これから本堂でお勤め」となると、半数の大人の方は帰ってしまわれます。

それでも、「 taurus (牛)に牽かれて」ではありませんが、子供に牽かれて本堂へ入ってこられる方もあります。

何はともあれ、親と子が、祖父母と孫が、こうして本堂でお参りできることの幸せは、つくづく「当たり前ではない貴いこと」と思います。

ましてや「幼子に牽かれて仏法聴聞」など、「とてつもなく希有なことだ」と、改めて知らされた思いがします。

当に「ありがとう」としか表しようがありません。

この「ありがとう」という言葉の語源は「有る事難し(あることがたし)」で、そもそもは「当然ではない」、「当たり前ではない」という「感謝の意味」なんですよ。

30年ほど前にベストセラーとなった「飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ」という若き医師、井村和清氏が、死の直前まで綴った「愛の手記(遺稿)」があります。

本ばかりでなく、映画化や、テレビドラマ化もされたので、ご存じの方も多いと思います。

本の表題の「飛鳥」とは「長女」の名前です。そして「まだ見ぬ子」とは「亡くなった当時に妻が妊娠していた子(次女)」のことです。

実は、この本の原題は「ありがとう、みなさん」というタイトルだったんですよ。

住職は、お勤めに参加された皆さんへ、この本の締めくくりの詩、「あたりまえ」から引用してご法話をしてくれました。

重い病気の代償として、井村医師は今まで「健康があたりまえ」と思っていたことが「あたりまえでなかったこと」に気がつかれたのです。

これまで「当然のこと」と思っていたことが、実はそうではなく「本当に有り難い希有なことだった」と、気がつかれたのですね。

誰にでも起こる当たり前のこと。それが「生、老、病、死」であり「四苦八苦」でありましたね。

2011年7月25日 (月)

恒例の体操と勤行の会

今年も夏休み恒例の「ラジオ体操とお勤めの会」が始まりました。

拙寺のある本町の中後区は、戸数35件あまりの小さな区です。

区内の子供たちも「あれよあれよ」という間に少なくなり、今年は3家族、7人での「ラジオ体操とお勤めの会」となりました。

そんな世帯数の減少する中でも、「人と人との絆の大切さ」、「地縁の大切さ」は、震災をみても明らかです。

これまで、「個人主義がはびこり、無縁社会が広がっている」などと言われてきましたが、このたびの「震災」という「極限の危機」が、人の温かさを取り戻すきっかけになっています。

誰一人として関係ない人など、ありはしないこと。どんなものとも、切っても切れない「ご縁」で繋がっているのです。

その「ご縁」の中で、支え合い、生かされている「我が身」です。

それは、「お法(おみのり=お念仏の教え)」を聞かずとも、至極明らかなことです。

福井が誇る「大家族」も崩れかけている今、ますます地域の子供たちを地域で育てることが大事となります。

さて、週に一回ではありますが、会場を拙寺に移し、本町にある4区の子供たちが「ラジオ体操とお勤めの会」に参加してくれます。

その時は、子供たちだけで40人近くになります。

始めて12年目になるこの企画ですが、地域の絆がより深まるご縁となれば、本当に有り難いことです。

そして、この企画を通して、少しでも「仏さまの教え」に触れてもらえるのが、何よりの喜びなのです。

Img_2809_2

たった10分間のラジオ体操ですが、いい運動になります。

心の健康と合わせ、来年、再来年と続けていきたいものです。

2011年7月20日 (水)

阿難の問いと喜び

今月の常例法座は、ご講師に藤枝宏壽先生をお招きいたしました。

藤枝先生は、真宗出雲路派了慶寺のご住職で、福井医科大学名誉教授であり、さらには、「現代に真宗の勤式を考える会」の代表、「仏の子を育てる会」の代表もされています。

そして、藤枝先生は、多くの著書も執筆されておられる方です。

ですから、「ぜひ一度、拙寺でもご法話を」と以前より計画し、このたびようやくその念願が叶い、猛暑の中をご出講いただきました。

Dsc01564

藤枝先生は、「阿難の問いと喜び」というご講題で「浄土和讃の大経讃」を通し「釈尊(お釈迦さま)の出世本懐と、阿難の喜び」をお取り次ぎくださいました。

    それは、大無量寿経が説かれるの時のことです。

    阿難尊者が座より立ち上がって前に進み出、常とは全く異なる光り輝く釈尊のお姿を仰ぎ見、「世尊よ、今日はなんと素晴らしい姿をしていらっしゃるのですか?」そして「それはどういうわけで、光り輝く阿弥陀さまのようなお姿になられたのでしょうか?」と問います。

    釈尊は、「阿難よ、よい質問をしてくれたね。実は、私は弥陀の悲願を説くためにこの世に生まれて来たんですよ」(真実之利)と仰って「阿難よ、私はこれからそなたのために詳しく説くからよく聞くがよい」と仰います。

    阿難は「はい、喜んで聞かせていただきます(願楽欲聞)」と答えられたのです。

ご法話のお心をいただきますと、「阿難」は「凡夫である私」を指し示し、「お釈迦さまがこの世に現れたのは、阿弥陀さまの本願を説くため」との「釈尊の生まれ甲斐」を聞いて、「私自身の生まれ甲斐」を知らされて喜ぶのです。

そのことを正信偈には、
   如来所以興出世 唯説弥陀本願海
   五濁悪時群生海 応信如来如実言

    意訳:教主世尊は弥陀仏の 誓い説かんと生まれたもう
       にごりの世にしまどうもの おしえのまこと信ずべし

考えて見ますと、「人間」としてこの世に生まれ、何年か娑婆世界に滞在して、この「いのち」を終えていきます。

臨終の間際になって「なんのために、私は生まれて来たのか?」とか「俺のこの人生は、一体なんだったのか?」と「虚しく終わっていく人生」では情けないですね。

せっかく「人間」として生を受けたのですから、「生まれてきてよかった」、「お念仏に出遇えてよかった」と言える人生をいただくのが「生まれた甲斐のある人生」です。

実は、「私がこの世に生まれたのは、阿弥陀さまのご本願を聞くために生まれて来たのですよ」と、この私に成り代わり、阿難尊者が尋ねてくださったのですね。

そして、そのことに気付き、問い求めてくれたことをお釈迦さまは喜んでくださったのですね。

藤枝先生には、尊いご縁をいただきました。本当に心に染みる有り難いご縁でした。

寺族、門信徒一同は、この猛暑も忘れさせてくれる「念仏の風光」を頂戴したことです。

2011年7月17日 (日)

西別院おはよう講座

本願寺派 福井別院(西別院)おはよう講座のご案内

1日500円 5枚つづり券2,000円 ※高校生以下は無料

~ テーマ:現代社会と浄土真宗 ~

7月26日(火曜日)午前6時~7時
  ・ご講師:瞿曇 英哉 師(敦賀組 浄泉寺 住職)
  ・ご講題:葬儀を考える

7月27日(水曜日)午前6時~7時
  ・ご講師:遠藤 一 師(久留米工業高等専門学校 准教授)
  ・ご講題:若き日の親鸞 比叡山から専修念仏へ

7月28日(木曜日)午前6時~7時
  ・ご講師:岩本 孝樹 師(本願寺 北山別院 輪番)
  ・ご講題:如来の願いにいかされて

7月29日(金曜日)午前6時~7時
  ・ご講師:朝倉 順章 師(真宗大谷派 看景寺 住職)
  ・ご講題:片州濁世を生きる

7月30日(土曜日)午前6時~7時
  ・ご講師:里見 淳英 師(邦中組 正覚寺 住職)
  ・ご講題:社会の企業化

-----------------------------

蓮如上人は、浄土真宗の教えを手紙の形で人々に伝え弘(ひろ)められました。

これを「御文章(ごぶんしょう)」とか「御文(おふみ)」といいます。

特に、明応7年の夏季に書かれた4通は、「夏御文章」とか「夏(げ)の御文(おふみ)」とも呼ばれ、「ねぶり(眠り)をさましてねんごろに聴聞候え」と、聞法精進をすすめられています。

思い切って早起きすれば、日常を離れたさわやかなひとときが待ってます。朝だからこそ味わえる雰囲気もあります。

すがすがしい朝のひととき、どうぞ、ご家族やご友人を誘ってお聴聞させていただきましょう。

2011年7月16日 (土)

穏やかな新盆

西宮寺のある旧勝山地区では、この新盆にお墓参りをされます。

新盆の7月14日、15日の両日、ことに夜、灯籠を点けてお参りされるのが習慣となっています。

Img_2802

皆さん、お盆前に墓掃除をされ、日を改めてお墓に灯篭を据え、墓参の準備をされます。

天候が良ければ、墓掃除、灯篭設置、墓参、後片付けと、4回はお墓に足を運ぶことになります。

ここ勝山では、新盆のこの時期は、梅雨が開けたとは言え、荒れ模様の天気になることが多く、14日、15日のどちらかは、必ず天候が崩れたものでした。

今年のように、両日ともこんなに良い天気、ましてや、こんなうだるような猛暑の新盆は、入寺して以来、初めてかもしれません。

いえ、記憶なんてあやふやですから、そう思っているだけかもしれませんが、本当に珍しいことなのです。

お寺では、新盆の両日とも、夜7時より盆会法要が勤めますが、なかなかその時刻に合わせてお参りされる方は少ないのが現状です。

逆に「その時間を避けて、お墓参りをされるのでは?」と思うことさえあります。

お盆には、普段お寺に足を運ばない人も、「墓参がてら」ではありますが、お寺の敷地に足を踏み入れられます。

そんな仏さまの元へ集まるご縁の多い時にこそ、ご法話のご縁、仏法聴聞のご縁に会ってほしいものです。

2011年7月 9日 (土)

暑さ知らずの子供たち

一昨日の7日の「七夕の節句」は「何もこの日に、こんなに降らなくても‥‥」と思うほどの大雨でした。

これまで「梅雨」とは言え、スコールのような雨が降ったものの、それもすぐに止み、ムシムシと暑い日が続いていたのです。

ですが、雨の降り方が一変し、「織姫と彦星は、一年に一度、この七夕の夜にしか会えない」と言うのに、朝から激しい雨が降り続き、ここ奥越地方に「大雨警報」が発令される程でした。

織姫と彦星が流す涙にしては、ちょっと多すぎですよね。

そんな七夕の夜が明けると、やっぱり猛暑が続き、本日9日には「今年の最高気温」を記録しました。

そして、「あれよあれよ」といううちに「梅雨明け宣言」です。「平年より15日も早い梅雨明け」なんだそうです。

こんなに早く梅雨が開けてしまうと、昨年のように秋彼岸まで厳しい暑さが続けば、二ヶ月半近くに及ぶ猛暑となります。

この「梅雨明け」から本当の戦いが始まろうとしているんですよね。

しっかりと体調管理し、「節電」や「熱中症」、「夏バテ」などの難題をクリアーしなければなりません。

しかし、こんな猛暑でも子供たちは、モ~元気いっぱいです。

今年も近くの保育所の「夕涼み会」に行ってきましたが、このギラギラと照りつける太陽の下、ま~~人が集まり賑わうこと、賑わうこと。

Img_2779

我が子、我が孫のこととなると、みんなすごいんです。きっとデジカメも、ビデオカメラも、我が子しか追っていないんでしょうね。

そんな賑わいの中、先日、参拝してくれたキリン組の園児たちが、私を見つけ駆け寄ってきます。

今年のマスコット「花ちゃん」と一緒でしたので、園児たちは「花ちゃん大好き」と、モ~すっかり人気者になっていました。

そして、園児たちは、お寺で一緒に歌う「一人じゃないさ」をステージで元気に披露してくれました。

ありがとう!

2011年7月 2日 (土)

家庭法座 No.254 号

蓮の花 諸行無常の 一日かな

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

    蜉蝣(かげろう)という虫は、
    「朝生まれ、夕方には死ぬ」といいます。

    その生命の短さは、
    「諸行無常の代名詞」のように用いられます。

    花の中にも、朝咲いて、夕方に散る花もあります。

    しかし、散るのは「虫」や「花」だけではありません。

    人も、私も、やがてこの世を散っていきます。

1

    でも、お念仏をいただいた人生は、
    泥田の人生でありながら
    蓮の花のようなお念仏を咲かせます。

    命終わったら、極楽に生まれ
    仏さまに生まれ変わらせていただきます。

    お墓参りには
    本堂で仏さまの話を聞きます。

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

Houza_no254

今月の行事
 ・門徒 総会:7月10日(日曜日)午後4時より

 ・墓参会法要:7月14日(木曜日)午後7時より

 ・常例 法座:7月20日(月曜日)午前、午後
        ご講師 真宗真宗出雲路派 了慶寺(越前市)ご住職
            藤枝 宏壽 先生

どなたでもお参りください。

2011年7月 1日 (金)

夏のご法話のお誘い

真宗大谷派 福井別院(東別院)暁天講座のご案内
    協賛会費1,500円(5日間共通)

7月21日(木曜日)5時45分~7時
  ・ご講師:高橋 法信 師(大阪教区第5組 光徳寺住職)
  ・ご講題:帰ろう もとのいのちへ

7月22日(金曜日)午前6時~7時
  ・ご講師:中村 寅雄 師(金沢教区第6組 唯信寺住職)
  ・ご講題:このことひとつ

7月23日(土曜日)午前6時~7時
  ・ご講師:犬飼 祐三子 師(名古屋教区第26組 正林寺坊守)
  ・ご講題:迷いの身を生きる

7月24日(日曜日)午前6時~7時
  ・ご講師:岩見 紀明 師(浄土真宗本願寺派 正玄寺住職)
  ・ご講題:逆噴射の時代に思う~念仏者の視点にたちて~

7月25日(月曜日)午前6時~7時
  ・ご講師:池田 勇諦 師(同朋大学 名誉教授)
  ・ご講題:逆さ富士

 ----------------------------- 

真宗誠照寺派 本山 誠照寺 暁天講座のご案内

7月19日(火曜日)午前6時~7時
  ・ご講師:花岡 静人 師(本願寺派布教使 勝光寺)
  ・ご講題:親鸞聖人と法然聖人

7月20日(水曜日)午前6時~7時
  ・ご講師:蓑輪 秀邦 師(大谷派教学研究所所長 仰明寺前住職)
  ・ご講題:今日感会-あなたに会えてよかった-

7月21日(木曜日)午前6時~7時
  ・ご講師:佐々木俊雄 師(本願寺派布教使 安楽寺住職)
  ・ご講題:救われるということ

誠照寺 暁天講座

 ----------------------------- 

蓮如上人は、浄土真宗の教えを手紙の形で人々に伝え弘(ひろ)められました。

これを「御文章(ごぶんしょう)」とか「御文(おふみ)」といいます。

特に、明応7年の夏季に書かれた4通は、「夏御文章」とか「夏(げ)の御文(おふみ)」とも呼ばれ、「ねぶり(眠り)をさましてねんごろに聴聞候え」と、聞法精進をすすめられています。

思い切って早起きすれば、日常を離れたさわやかなひとときが待ってます。朝だからこそ味わえる雰囲気もあります。

すがすがしい朝のひととき、どうぞ、ご家族やご友人を誘ってお聴聞させていただきましょう。