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2012年2月

2012年2月29日 (水)

感動の出遇い

先日、岐阜県のS寺さまの永代経法要のご法縁をいただきました。同じ組内(そない)のK寺さまよりのご紹介で、今回が二度目のご縁となります。

S寺さまの境内地は、前回ご縁を頂戴した時よりも、さらに整備されていて、すばらしい景観でした。

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こちらのご住職は、大学の教授も兼務しておられ、専門は「印度哲学」とのことです。そんなS寺さまの永代経法要には、たくさんののご参詣があり、皆さんそれはそれは熱心にお聴聞してくださいます。

そして、S寺さまと同様に、K寺さまでも法座がお勤まりになり、なんとご講師は、私が昨年の法座で紹介させていただいた「小児科医の駒澤勝先生」です。

駒澤先生は、昨年ご本山にて全国布教使大会で記念講演もされた方です。

実は、以前より「憧れの駒澤先生と懇談できる機会はないものか?」と、密かに思いを巡らしていました。

嬉しいことに、K寺さまの粋な計らいで、私の願いが現実となり、駒澤先生、S寺さま、私の四人でユックリと夕食を共にさせていただく機会に恵まれたのです。

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仏道に生きる駒澤先生との飲み、語りは、感動のお話しばかりでした。

    駒澤先生は、「安芸門徒」と言い表される「ご法地(お念仏のみ教えが行き届いた土地)」、広島県三次市のご出身です。

    そんな土地柄ですから、篤信なご両親の元で養育されますが、医学の道に進んだ頃は、「念仏」や「宗教」に抵抗を覚え、反発さえしたそうです。

    やがて、小児科医として患者を担当する中、不治の病と共に生きる幼児たちや、幼くして命を失う子どもを目の当たりにされます。

    医療者として、嫌でも常に「いのち」と真向きにならなければならず、そのうち、誇りを持っていた「科学」や「医療」の限界を強く感じたそうです。

    そんな「胸をえぐり取られるような苦悩」が契機にもなって、両親が喜んでいた「お念仏のみ教え」が、駒澤先生の脳裏をよぎります。

    そして、いつの間にか「親鸞聖人」を求めるようになっていたそうです。

    駒澤先生は、「まず、親鸞聖人の著書に触れよう」と『歎異抄』や『教行信証』の解説書を読みあさります。

    しかし、出会った解説書のどれもが非常に難解で、誰に問い求めても納得いく答えが見出せず、何度も、何度も投げ出そうとされたそうです。

    そんな時、星野元豊先生著述の注釈書『講解 教行信証 教の巻 行の巻』に巡り合われ、ようやく求めていた「心の支え」がつかめてきます。

    それからは、難解だった言葉のひとつ、ひとつが、有り難くいただけるようになったとのことです。

駒澤先生は、『教行信証』の注釈書を肌身離さず持ち歩かれ、幾度も、幾度も読み返したその「注釈書」は、付箋で膨れあがっていました。

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私は書物を買い求めても、なかなか読破できず「書棚に積読(つんどく)」になってしまいます。

そんな駒澤先生の「求道の姿」に頭が下がり、僧侶として恥ずかしい気持ちでいっぱいになりました。

    身体の健康だけが幸せではない、たとえ病気であっても、仏法(お念仏)を聞くことのできる身になることこそが、本当の幸せである

    今では、お念仏が無かったら生きていけない、お念仏が有ればこそ生きていける

K寺さま、S寺さまと共に、そんな駒澤先生の「医師であるが故の求道の歴程」をお聞かせいただき、喜びに溢れる一夜となりました。

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K寺さま、S寺さまのおかげで、感動のお出遇いをさせていただいたことです。

このたびも、大変なお世話になり、誠に有り難うございました。 合掌

2012年2月20日 (月)

2月の常例法座

今月の常例法座は大変でした。

父(住職)は県外出講と母(坊守)も法事で不在になった為に

従って、午前中の法座は、僕一人で務めることになりました。

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過去に住職不在の時はありましたが、坊守も不在ですと、少し不安でした。

勤行と2席の法話をさせていただき、世話役さんのお世話もあって、滞りなく午前中の法座は終わりました。

今月の法話は、正信偈について味わわせていただきました。

普段から真宗門徒にとって馴染みの深いおつとめである正信偈を、「もっと知りたい」という声があったので、ご讃題に偈前の文をいただきました。

2席目には帰敬の御文、「帰命無量~」からいただきました。

聴聞される方が、寒い時期にもかかわらず30人以上来ていただいて、ありがたい事であります。

聞き上手というか、本当に熱心に聴聞されているので、こちらも一生懸命お取次ぎさせていただきました。

午後は、母(坊守)が出勤し、奥田順誓先生に御法話をしていただきました。

今月は慌ただしい常例法座となりました。

2012年2月13日 (月)

ありがたい光景

先ほど通夜から帰宅。

勤め先の住職が村のお講で出れないので、一人で通夜へ。

やっぱり何度出ても、一人で出仕するのは緊張します。

でも、そんな中、一緒に正信偈を大きな声でおつとめする方が。

自分も負けじと大きな声でおつとめしました。

加賀など石川では、通夜は参列者全員で正信偈をおつとめして、僧侶が退出した後それぞれが焼香をするという流れになっています。

待合室では、5~6歳くらいの子供達が正信偈の練習をしていたので「本当にありがたいなあ」と感じました。

ナンマンダブツ。

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2012年2月 1日 (水)

家庭法座 No.261 号

吐く息に 後生の大事 気づかされ

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今冬は、大寒波で大雪が続きました。

外に出ると、自分の吐いた息が
たちまちに細かい水滴となって白く見えます。

『御文章』には「出る息は、入る息を待たず」と出ています。

私たちは、空気を吸い、それを吐き、
呼吸しながら生きています。

呼吸しなければ生きていけません。

しかし、フウーと息を吐いて、
それっきりだった!という話もあります。

私の今は、いつ、どこで、終わるか分かりません。

「後生」は、まさに「一大事」です。

だからこそ、早く仏法を聞いて、
お念仏をさせていただきましょう。

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今月の行事

  ・2月20日(月曜日)午前、午後 常例法座
  ・2月27日(月曜日)夜7時~おつとめ教室

        どなたでもお参りください。