西宮市のご正忌法要
先日、西宮市のS寺さまへご正忌報恩講法要の布教に行って参りました。S寺さまには、ここ数年、毎年この時期にご縁をいただいております。
S寺さまの境内外の駐車場には、インドの色とりどりの旗が飾られ、また、天候にも恵まれた三日間のご正忌法要には大勢の参詣がありました。
法要では、ご住職が制作された「親鸞聖人讃歌」が勤まり、参詣者のお勤めの声が本堂いっぱいに響き渡ります。
勤行に引き続き「御伝鈔」の拝読がありましたが、なーんとかなりの高さがある高座の上で、ご住職ご自身が「御伝鈔」を拝読されるのです。
布教は「歎異抄」のお言葉をいただいてのお取り次ぎです。ご参詣の方々は、それはそれは熱心にお聴聞くださり、本当に有り難いことでした。
法座の合間には、「ぜんざい」が振る舞われ、この「ぜんざい」に入っているお餅は、前日にご門徒の方々がつかれた「お供えのお餅」とのことです。
この「お餅」のように、おみがき、法要の準備から片付けに至るまで、ご門徒の方々が一丸となってご報謝される姿に頭が下がります。
また、お内陣のお荘厳も見事なものでした。
まさに「職人技」とも呼ぶべき見事な供花は、法務員さんが立てられたと聞き、驚きと共にその優れた技量にすっかり感服いたしました。
こちらのご住職は、長くご本山の要職にも就かれ、多くの著書も執筆されている方なのです。
そして、学生時代より公私共に長くご指導をいただいているご住職なのですが、いつお姿を拝見してもお元気な方であります。
そんなご住職は、「阪神淡路大震災の時、お父さま、奥さま、娘さんの3人を亡くされる」という深い悲しみを背負われました。
ですが、その辛く大きな悲しみを乗り越え、現在も宗派とご自坊で頑張っておられます。
聞くところによると、夏の甲子園出場や、京都大学野球部での監督経験もあるご住職は、時々、本堂脇の広縁で30回ほど素振りをされるとのことです。
そのご壮健振りは、小学館発行の「サライ」6月号にも掲載されていますが、80歳になられた現在でも、衰えを感じさせない鋭いスイングなんだそうです。
S寺の皆さま、今回のご法要においても、大変お世話になりました。心より御礼申し上げます。有り難うございました。
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