キラッと生きる あきらさん
夏休みの期間は、読み聞かせも、もちろんお休みです。
このお休み期間を利用し、「読み聞かせの講習を」ということで「県立図書館の読み聞かせ講習」に行ってまいりました。
県立図書館では、ゆっくりと時間をかけ、本の選定などのアドバイスも受けました。
そして、インターネットで検索して「読み聞かせにおすすめのホームページ」なども見て回りました。
今回は、そんな機会の中で巡り会った「天才ひらがな詩人」こと「くりすあきらさんの詩」をご紹介します。
ちょうど県立図書館へ行ったので、くりすあきらさんの「ありがとうのてがみ」も借りてきました。
この「ありがとうのてがみ」は、勝山の図書館には残念ながら置いてありませんでした。
1975年生まれのくりすあきらさんは、異常分娩のため、脳性麻痺、知的障害、腎臓障害、肢体不自由など、さまざまな障害を抱えながら、そのときどきの気持ちを詩で表現しておられます。
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びょうき
あーあー
またびょうきになった
にゅういんしてしもうた
ぼくは つかれたら すぐねつがでる
やれやれのう
でも ぼくのせいじゃーないのです
しょうがないせいなのです
いきとっら しょうがないないことが
いっぱいあるのです
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おかさん
おかあさんがなきました
ふろばでなきました
ぼくのことで なきました
ぼくは あたまがいいので
すぐにわかりました
おかあさん くらいかていは やめんさい
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まなぶくん
まなぶくんは ごはんをみきさーして たべます
さかなも みきさーして たべます
ごくらくのかみさま すまんが ちょっとだけ
まなぶくんのために はたらいてくれんかのう
わろうてばっかりおらんこうに
たいしたことじゃーないよー
まなぶくん ごはんのまんま たべれるように しちゃってくれー
さかなのまんま たべれるように しちゃってくれー
パンも てでもって たべれるように しちゃってくれー
ぎゅうにゅうも ひとりでのまれるように しちゃってくれー
ぼくからの おねがいです たのんだよ
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ぼくは しんせきのはじなんだって
ぼくは しんせきの けっこんしきに
いったら こまるにんげんです
はじなんだって なんべんもいわれた
ひどいことを いうのー
あんたも いわれてみー
なさけないでよー
よんでくれんでもええが おらんことにされるのは こまる
にんげんのいきを しとるんじゃけん むりよー
おかあさんが せっかく うんでくれたんじゃけん
じまんをしてくらす
ほいじゃが おかあさんが かわいそうでかなわん
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人げん
にんげんって いいね
おいしいものが たべられる
たのしいことが いっぱいあるし
かあさん ぼく 人げんにうまれてよかった
ひめ あんたは ねこに うまれて つまらんじゃろう
人げんにうまれて くればよかったのに もうおそいよ
はよう たのめばよかったのに うまれるまえに
あんたのおかあさんに たのめばよかったのに
わたしを 人げんにうんでください いうて
はやめにたのんだら よかったのに もう おそいよ
ねこにうまれたんじゃけん もう ておくれよ
ひめは ねこで しあわせになりんさい
ぼくは にんげんで しあわせになるけえ
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くりすあきらさんの書かれた詩は、まだまだたくさんあります。今回はその一部だけをご紹介しました。
なぜ、私たちは、失ってみてはじめて、失くしたものの大切さを知るのでしょうか?
なぜ、私たちは、教えてもらわなければ、人として生まれることの難しさ、すばらしさ、いとおしさを感ずることができないのでしょうか?
くりすあきらさんの詩からは、「生きていくことは、さまざまなことがあり、苦しみが数多くある。でも、それ以上に人として生まれることの尊さ、すばらしさ。人として生き抜きたいという力強い生命力」を感じるのです。
こんなすばらしい命を頂いたことに気がつくこと、「くりすあきらさんの紡ぐ言葉」は「まるで仏さまの言葉」のようです。
知識を付け、学力を付けるために学校にいって学ぶように、生きる力も学ばなければ身に付きません。
何回も、何回も、聞かせてもらわなければなりません。そして、お寺がその場所であり続けられるように努めたいと思います。
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