« 23回目の忘年会 | メイン | 光寿無量 »

2009年12月29日 (火)

29日は福?、二重苦?

世間では、「12月29日にお餅をつくと『苦持ち』とか『二重苦』といわれ、縁起が悪い」などと言われているそうです。

お餅に限らず、お正月のお飾りも、「29日を避け27日か28日に飾り、その両日とも都合が悪い時は30日、31日は一夜飾りと言って避ける」などと言われているそうです。

なんでかな?

それはね「苦持ち」も「二重苦」も、「9(苦)が2(つ)く」というだけの「語呂合わせ」に過ぎないのです。

何の根拠もなく、ただ「29日にお餅をついたら、苦が付くからダメなんだって」という「語呂合わせ」が伝わって、「さもありなん」ということになる。

当の「お餅」にしてみれば、まったくもって迷惑な話ですよね。

こんな「語呂合わせ」で言い伝わっている「迷信の代表選手」に、「49日(満中陰)が三ヶ月にまたがるとダメ」というのもある。

これも「始終苦が身に付く(四十九が三に月)」という単なる「語呂合わせ」で、当然、何の根拠もない。

だが、そう言われると、なんだかそんな風に思えてくるらしい。

やっぱり、人から「不幸になるよ」とか「バチが当たるよ」などと言われて、動揺しない人はいないと思う。

先日、迷信なんか気にしないと思われる若い人から、「ミサキさーん、29日にお餅をついたらダメなんだって~?」と聞かれ、驚いた。

そんなとき、私はすぐさま、こう切り換えしてあげる。

  エーーッ?! なにを言うてるん
  29日にお餅をついた方が イイという人も おるんよ
  ホラー「福(2=フ、9=ク)がつく」とも言えるやろ
  おっかしいよねー 
なーんか 矛盾していると思わーん?

  アッラー! ミサキさん ほーんと そーやねえ~

ちなみに、私たちの浄土真宗では、「吉」や「福」を求め、「凶」や「禍」を払うということはありません。

  深く因果の道理をわきまえて
  現世祈祷や、まじないをおこなわず
  占いなどの迷信にたよらない     浄土真宗の教章(旧)より

お聴聞を重ねると、「わずらわされること」と「そうでないこと」がハッキリしてきます。

なんでもないことに、こんなに気をつかい、そして、いかに振り回されているかが分かってきます。

しかし、この「浄土真宗の教章にそって生きる」ということは、なかなか難しいことかもしれませんね。

ですから、来年も聴かせてもらいます。

当然、西宮寺では「吉凶禍福」にとらわれず、29日にお正月用のお餅をつきましたよ。

Img_0378

ネッ! いいお餅でしょう。 scissors
どうぞ皆さん、お正月にもお参りくださいね。お待ちしております。