29日は福?、二重苦?
世間では、「12月29日にお餅をつくと『苦持ち』とか『二重苦』といわれ、縁起が悪い」などと言われているそうです。
お餅に限らず、お正月のお飾りも、「29日を避け27日か28日に飾り、その両日とも都合が悪い時は30日、31日は一夜飾りと言って避ける」などと言われているそうです。
なんでかな?
それはね「苦持ち」も「二重苦」も、「9(苦)が2(つ)く」というだけの「語呂合わせ」に過ぎないのです。
何の根拠もなく、ただ「29日にお餅をついたら、苦が付くからダメなんだって」という「語呂合わせ」が伝わって、「さもありなん」ということになる。
当の「お餅」にしてみれば、まったくもって迷惑な話ですよね。
こんな「語呂合わせ」で言い伝わっている「迷信の代表選手」に、「49日(満中陰)が三ヶ月にまたがるとダメ」というのもある。
これも「始終苦が身に付く(四十九が三に月)」という単なる「語呂合わせ」で、当然、何の根拠もない。
だが、そう言われると、なんだかそんな風に思えてくるらしい。
やっぱり、人から「不幸になるよ」とか「バチが当たるよ」などと言われて、動揺しない人はいないと思う。
先日、迷信なんか気にしないと思われる若い人から、「ミサキさーん、29日にお餅をついたらダメなんだって~?」と聞かれ、驚いた。
そんなとき、私はすぐさま、こう切り換えしてあげる。
エーーッ?! なにを言うてるん
29日にお餅をついた方が イイという人も おるんよ
ホラー「福(2=フ、9=ク)がつく」とも言えるやろ
おっかしいよねー なーんか 矛盾していると思わーん?
アッラー! ミサキさん ほーんと そーやねえ~
ちなみに、私たちの浄土真宗では、「吉」や「福」を求め、「凶」や「禍」を払うということはありません。
深く因果の道理をわきまえて
現世祈祷や、まじないをおこなわず
占いなどの迷信にたよらない 浄土真宗の教章(旧)より
お聴聞を重ねると、「わずらわされること」と「そうでないこと」がハッキリしてきます。
なんでもないことに、こんなに気をつかい、そして、いかに振り回されているかが分かってきます。
しかし、この「浄土真宗の教章にそって生きる」ということは、なかなか難しいことかもしれませんね。
ですから、来年も聴かせてもらいます。
当然、西宮寺では「吉凶禍福」にとらわれず、29日にお正月用のお餅をつきましたよ。
ネッ! いいお餅でしょう。
どうぞ皆さん、お正月にもお参りくださいね。お待ちしております。
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