« それなりの出来栄え | メイン | 国際交流 »

2010年2月13日 (土)

念仏道場

まだ雪深い奥越の山村、鹿谷町保田にある「下道場(しもどうじょう)」の法要に行って来ました。

下道場では、2日間に渡って、保田地区の「年次法要」と「戦没者追悼法要」が行なわれました。

Img_3797
鹿谷町保田の下道場

ここ保田の下道場は、「蓮如上人が御逗留された場所」と伝えられています。そして、この保田地区では、下道場を含め四つの道場があり、毎年順番に法要を勤められます。

その法要には、各々の道場のお手次ぎ寺院のご住職が導師をされ、各道場主も一緒に勤行されます。

今回の下道場での法要では、S寺さまのご住職が、法務員の方と一緒に出勤されました。

Img_3807
S寺さまご住職、法務員、道場主の方々

Img_3804_2
一緒にお勤めされる保田のお同行の方々

保田地区では、平日の法要であっても多くの参詣があり、熱心にお聴聞される姿に頭が下がります。

皆さん「道場」と言うと、「剣道や柔道の道場」を思い浮かべる人がいるかも知れませんが、実は「道場とは浄土真宗の教えを聞く念仏道場」なのです。

特に福井県では、嶺北地方を中心に多くの道場が存在しています。
(道場の現在数は約130ヶ所)

歴史的に見れば、蓮如上人が吉崎御坊にお越しくださった頃から、各村々でお念仏のみ教えを伝える「教化伝道センター」であり、「寺院の基になるもの」であったのです。

まさに「浄土真宗の土徳」が、この「道場」なのです。そして、「お手次ぎ寺院とご門徒のパイプ役的な存在」であったのです。

Img_3799
下道場のご本尊、阿弥陀さま

しかし、現在では「寺離れ」と「高齢化」に伴い、道場の維持、存続が非常に困難になっているのが現状です。

これは、道場ばかりでなく、寺院も同様ではありますが……。

そこで、数年前より福井教区の有志の僧侶5人で「道場研究会」を設立して、各道場を調査し、記録作成をしているところです。

できれば明年の「宗祖750回忌法要」までには、「道場さんを訪ねて」という表題で出版する予定です。

奥越の純粋なお念仏同行方々のおかげで、「なんとか真宗が存続しているのではないか」と思った下道場での2日間でした。