吹雪の中を
20日の御正忌法要の当日は、積るタイプの雪質ではなかったのですが、「雪が舞い、吹雪いては消えていく」という生憎の空模様でした。
(ウ~ン 一体、誰の精進が悪いの?)
恨めしく思いながら、それでも「来てくださるかもしれない」という、淡い期待を抱きつつ、朝から着々と準備を進めます。
法要開始の1時間前の9時には、なんとか3~4人の方が、そして、撮影のためM氏とU氏も来てくださいました。
節談説教のH氏は、前日から勝山入りされています。そして、落語家の小染さんは、講演先の四国のから朝5時発の電車で福井へ向かっておられます。
この雪で小染さんの乗った電車が遅れはしないか、接続の電車に乗車できたか、もー気が気ではありません。
小染さんは、乗り継ぎも順調にいき、何とか11時15分の出番にギリギリ間に合いました。(ホッ!)
この雪ですから「年配の方は、ほとんど来られないだろう」と思っていましたが、法要開始の10時には、50~60人の方が参詣してくださいました。
あの方も、あの方も・・・・
遠方から電車で来られた方も・・・・
新聞のお知らせを見て初めて来寺された方も・・・・
駐車するところがなく、大変な目に遭われた方も・・・・
本当にうれしい限りでした。
足元が良い状態の時の、その何倍も、何倍も、感動いたしました。
参詣の皆さん、「法座に参ろう」という意思はあったでしょうが、やっぱり「仏さまの後押しがあったればこそ」と確信しました。
蓮如上人ご在世のころ、越中五箇山の妙好人、道宗お同行が、井波の瑞泉寺に晨朝のお参りに行くときのことです。
今のように除雪車があるわけでなし、雪の積もるままの状態の道なき道を、一歩一歩、踏みしめながら歩いての参詣は、どれだけ骨が折れ、苦労なさったことか。
道宗お同行は、「早く行かなければ、晨朝が終わってしまう」と気も焦りながら、雪をかき分け、かき分け、やっとの思いで瑞泉寺に到着します。
すると、道宗お同行の到着を待って、梵鐘と喚鐘を同時に突き、晨朝のお勤めが始められたと聞いております。
道宗お同行は、家に帰ってそのことを仏さまにご報告しようとしたところ、仏さまの手に雪が積もっていたという逸話があるそうです。
あんな雪をかき分けることなど
到底、道宗一人でできるわけがない
なるほど、仏さまが空けてくださったのだ
と納得し、道宗お同行は、お礼を申し上げたということです。
仏さまの後押しがあったればこそ、底知れない力が出てきたのでしょう。
今日の参詣された皆さんの姿から、道宗お同行のことが頭をよぎりました。
企画の「節談説教と落語の共演」では、本当によく笑い、涙したご縁でした。外は、寒い、寒い大寒の日に、本堂の中は笑いと感動に暖かく包まれました。
本当に寒い中を、それも遠近各地より、ようこそお越しいただき、有り難うございました。
今回は素晴らしい「音響(Bose ボーズ)システム」で、お耳の遠い方でもよく聞こえたと喜ばれました。DVDの完成も楽しみです。
また、いろいろな方に助けられての法座となりましたことに感謝申し上げます。
よいお年玉をいただきました。
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