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2012年5月

2012年5月31日 (木)

被災地を訪ねて

過日、三日間に渡って、宮城県仙台市にある「東北教区ボランティアセンター(本願寺派仙台別院内)」へ行って来ました。

福井から仙台へ車の往復で二日、実際に活動をしたのは一日です。

昨年の大震災からもう一年を過ぎましたが、今もなお被災地では多くの被災者の方々は、辛く苦しい生活をされています。

思うに、復興にはまだほど遠い状態のようです。

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そんな中で「少しでも支えていきたい」との思いから、全国各地より多くのボランティアの方々が活動に来ておられます。

そんなボランティアの方々と共に活動させていただいた場所は、津波の被害が大きかった仙台市若林区荒浜地区です。

ここ荒浜地区は、八百戸の集落が津波で流され、亡くなった人は二百人以上と言われています。

現在は「建物の土台跡」と「ガレキが残った畑」だけが目に付く状態です。

その少し先の海岸には、慰霊塔が立っていました。しばらく亡き人を追悼させていただいたことです。南無阿弥陀仏。

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今回の行程では、まず、本願寺仙台別院へ参集した同朋と共に、自動車で仙台市若林区にあるボランティアハウス「震災復興・地域支援サークルReRoots(リルーツ)」に行きます。

そこで、全国各地より直接ボランティアハウスへ駆け付けた同朋とも合流し、代表の方より活動の説明を聞いた後、荒浜地区まで自転車で移動したのです。

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今回、私たちが参加させていただく場所は、海岸から百メートルほどのところにあるガレキが残った農地です。

ここでの作業は、地区の営農組合の方々がこれから始める「生きがい農園作り」のためのお手伝いをさせていただくというものでした。

農地が整備された後は、現在仮設住宅に避難されている方々が、その畑で野菜作りをされるそうです。

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作業は、朝九時から夕方四時近くまで、スコップで土を深く掘り起こし、土の中のガレキを取り出し、そのガレキを瓦、ガラス、木材、ゴミなどに分別して袋詰めするという内容でした。

今まで、土いじりをしたことのない私にとっては、大変に困難な作業でした。

必死に「若者に、負けてなるものか」と、頑張れば頑張るほど空回りし、思うようにはかどりません。

改めて、農家の方々の凄さを知らされました。

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今回、被災地を訪ねて感じたことは、復旧、復興までには、まだまだ長期間の年数が必要であることを知らされました。

しかし、仮設住宅の中でこもりがちになってしまった方々が多くおられ、そんな方々より「震災前のようにまた土をいじりたい」、「野菜を作りたい」という声も多く聞かれるとのことです。

そのような方々のためにも、このたびの「生きがい農園をぜひとも完成させねば」と強く感じたことです。

作業の終了後、東北教区ボランティアセンター内に掲示してあった「無縁からご縁に」という言葉に触れ、「今後も機会があれば、お念仏を喜ぶ仲間と共に、少しでも活動をしたい」と感じたことです。

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息子の恩師である鍋島直樹先生の色紙も飾られてありました。

2012年5月25日 (金)

見えなくてもあるもの

今年度も、T保育園のキリン組さんの園児たちが、月一回の参拝に来てくれています。

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二回目の今日は、あいにく小雨が降る天気でしたが、皆、元気に傘をさしてお参りです。

前回は、昨年度お参りしてくれたお兄さん、お姉さんたちと一緒だったので、初めてでも、見よう見まねでチャレンジしてくれていました。

でも、今回は、どの子ども達も、幾分緊張ぎみです。

どうも、保育園で先生に「お寺では静かに」と言われてきたのでしょう。

皆、口々に「静かに!」、「静かに!」と言い合いながら入ってきました。

今日は、最初に「いのちのまつり」を聞いてもらいました。

目には見えないけれど、沢山のいのちをいただいて、私のいのちがあること、そして、そのいのちに見守られていることをお話しました。

  みんな!目には見えないけれど
  ちゃんとあるものがあるよ!

  たとえば、雨の日の太陽は
  見えないけれど、ちゃんとある。

  そして「風」も、そうですね。

  今からうちわで、風をみんなに届けます。
  風が見えるか、しっかり見ててね。

大きなうちわで、あおいで、風を送りました。

みんなは、すぐさま、見えた!、見えた!、と嬉しそうに、答えてくれました。

  坊守:えっ!見えたの?
  園児:うん、見えたよ!
  坊守:じゃあ、何色だった?
  園児:きいろ!
  園児:しろ!
  園児:くろ!
  坊守:う~ん、もういいです。

子供たちの、想像力にはかないません。なかなか、こちらが思うようには、答えてくれません。

でも、子供たちには、見えるのかもしれませんね。

今年も、子供たちと一緒に、仏さまにお会いしましょう。

永代経法要

先日19、20日に、永代経法要が勤まりました。19日にはチェロコンサートもあり、たくさんの方がお参りくださいました。

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永代経のお取り次ぎには、富山教区 発願寺 ご住職の川崎先生にご出講いただきました。

川崎先生のお取り次ぎは、大変分かりやすく、生と死について身に染みる有り難いご法話でした。

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川崎先生は、時折、富山の方言を交えながら、楽しく、そして、味わい深いお取り次ぎでありました。

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永代経とは、「永代に渡って『仏さまの教え』と『仏様のこころ』が伝わっていくように」とのご法要です。南無阿弥陀仏。

2012年5月20日 (日)

永代経法要・チェロミニコンサート

昨晩、自坊の永代経の法座が勤まりました。

お勤めの前に、チェロコンサートがあり、勝山市国際交流員のマーク・オハラ氏に演奏していただきました。

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おくりびとのテーマ曲や、バッハの無伴奏チェロ組曲第一番、白鳥、美空ひばりの「川の流れのように」などの楽曲でした。

初めてチェロの生音を聴いて感動しました。

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夜のお座にもかかわらず、たくさんの参詣者がありました。普段見かけない方も、チェロの演奏をご縁としてお参りいただきました。

これがきっかけとなって、仏縁を育んでいただければなおありがたいことです。

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2012年5月11日 (金)

チェロミニコンサート

チェロ演奏会のご案内

拙寺の永代経法要は、すでにご案内させていただいた通り、5月19日の夜、そして、20日の午前と午後に勤まります。

例年、19日の夜は、遠方より壮年の方々が多数お参りくださいます。

そこで、今年の永代経法要では、勝山市国際交流員の「マーク・フミヒコ・オハラさん」に依頼して「チェロのミニコンサート」をしていただくことにいたしました。

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マークさんは、昨年の8月に米国ハワイ州より勝山市へ、「第8代国際交流員」として着任された方です。

着任以来、国際交流サロンのイベント企画、小学校訪問、英会話教室など、幅広く活動をされています。

そんなお忙しいマークさんですが、昨年の12月に開催した「海外留学生による布教大会」の際には、わざわざ西宮寺へ駆け付けてくださいました。

そして、参詣の皆さんに日本語で挨拶してくださり、また、お念仏を学ぶ留学生たちとも話が弾み、さらには、家族で本願寺ハワイ別院へお参りされていることなども、お聞かせいただきました。

そんなご縁から、今年の永代経法要では、本堂にてマークさんお得意の「チェロの演奏会」をしていただくことにいたしました。

この「チェロの演奏会」は、19日(土曜日)の夜7時より始まります。そして、マークさんに演奏していただく曲目は、次のようになります。
  ・映画「おくりびと」のテーマ曲
  ・美空ひばりさんの「川の流れのように」
  ・バッハの「無伴奏チェロ組曲の第一番」
  ・サンサーンスの「白鳥」  等々

晩春の夜のひととき、「チェロの響き」と「仏法聴聞」で、心静かに亡き人を偲ばせていただきましょう。

どうぞ、19日(土曜日)の夜は、なにとぞ時間を割いていただき、皆さまお誘い合わせの上、ぜひとも拙寺へと足をお運びくださいませ。

一同、心よりお待ち申し上げております。

2012年5月 1日 (火)

家庭法座 No.264 号

大切な 生命だ 今日も がんばろう

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  先日、友人が病気で亡くなりました。

  愛別離苦の思いです。

  世の中には、「生きたい」と
  願いながら死んでいく人も居れば、

  逆に「死にたい」と思いながら
  死ねない人もいます。

  長い人生の間には、 「死んだ方がましだ」と思う時が、
  誰しも、一度や二度あるのではないでしょうか。

  しかし、せっかく恵まれた生命なのですから、
  生きられるだけ、生きましょう。

  そして、苦しくとも、悲しくとも、
  カ一杯生き抜きましょう。

  昨年の大震災で、紙一重の差で助かった人が、
  「生きているのが不思議です」とか
  「頑張って生きていきます」と仰るのを耳にしました。

  仏さまは、人間の「人生の目的」と
  「いのちの目標」を教えてくださいます。

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  今月の行事 永代経法要
    5月19日(土曜日)夜7時~
    5月20日(日曜日)午前・午後

    布教:富山教区 発願寺さま

        どなたでもお参りください。