被災地を訪ねて
過日、三日間に渡って、宮城県仙台市にある「東北教区ボランティアセンター(本願寺派仙台別院内)」へ行って来ました。
福井から仙台へ車の往復で二日、実際に活動をしたのは一日です。
昨年の大震災からもう一年を過ぎましたが、今もなお被災地では多くの被災者の方々は、辛く苦しい生活をされています。
思うに、復興にはまだほど遠い状態のようです。
そんな中で「少しでも支えていきたい」との思いから、全国各地より多くのボランティアの方々が活動に来ておられます。
そんなボランティアの方々と共に活動させていただいた場所は、津波の被害が大きかった仙台市若林区荒浜地区です。
ここ荒浜地区は、八百戸の集落が津波で流され、亡くなった人は二百人以上と言われています。
現在は「建物の土台跡」と「ガレキが残った畑」だけが目に付く状態です。
その少し先の海岸には、慰霊塔が立っていました。しばらく亡き人を追悼させていただいたことです。南無阿弥陀仏。
今回の行程では、まず、本願寺仙台別院へ参集した同朋と共に、自動車で仙台市若林区にあるボランティアハウス「震災復興・地域支援サークルReRoots(リルーツ)」に行きます。
そこで、全国各地より直接ボランティアハウスへ駆け付けた同朋とも合流し、代表の方より活動の説明を聞いた後、荒浜地区まで自転車で移動したのです。
今回、私たちが参加させていただく場所は、海岸から百メートルほどのところにあるガレキが残った農地です。
ここでの作業は、地区の営農組合の方々がこれから始める「生きがい農園作り」のためのお手伝いをさせていただくというものでした。
農地が整備された後は、現在仮設住宅に避難されている方々が、その畑で野菜作りをされるそうです。
作業は、朝九時から夕方四時近くまで、スコップで土を深く掘り起こし、土の中のガレキを取り出し、そのガレキを瓦、ガラス、木材、ゴミなどに分別して袋詰めするという内容でした。
今まで、土いじりをしたことのない私にとっては、大変に困難な作業でした。
必死に「若者に、負けてなるものか」と、頑張れば頑張るほど空回りし、思うようにはかどりません。
改めて、農家の方々の凄さを知らされました。
今回、被災地を訪ねて感じたことは、復旧、復興までには、まだまだ長期間の年数が必要であることを知らされました。
しかし、仮設住宅の中でこもりがちになってしまった方々が多くおられ、そんな方々より「震災前のようにまた土をいじりたい」、「野菜を作りたい」という声も多く聞かれるとのことです。
そのような方々のためにも、このたびの「生きがい農園をぜひとも完成させねば」と強く感じたことです。
作業の終了後、東北教区ボランティアセンター内に掲示してあった「無縁からご縁に」という言葉に触れ、「今後も機会があれば、お念仏を喜ぶ仲間と共に、少しでも活動をしたい」と感じたことです。
息子の恩師である鍋島直樹先生の色紙も飾られてありました。
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