ねがいごとパズル
全国組織の「NPOこども劇場」は、子供たちに「芸術文化」や「社会参加」などの体験活動を支援し、豊かな感性を磨き、生きる力を育成しようとする団体です。
平成2年には、その「NPOこども劇場」の趣旨に賛同できる親たちが集まり、「勝山こども劇場」も結成されました。
この「勝山こども劇場」では、特に人形劇、演劇、コンサートなどの「舞台芸術を間近で、しかも生(ライブ)で見せてやりたい」と、個人会員制をとって続けられています。
私たち家族も、子供たちが小さい時は、この「勝山こども劇場」にずいぶんとお世話になり、もちろん親子共々が楽しませていただきました。
最近は、少子化のためか「勝山こども劇場」の会員数も減り、知恵を絞りながらの活動をされているようです。
そして、この「勝山こども劇場」は、今年20周年の記念すべき年を迎え、それを記念してこのたび、会員以外の方へも呼び掛けた「例会公演」が行われました。
なーんとこの企画も、過日の「交流サロン」と同様に「四葉のクローバー会」の会員方が事務局をされているので、その応援も兼ね公演を観劇してきました。
会場のJAテラル越前中支店の多目的ホールは、親子連れの方がほとんどで、「勝山こども劇場」の開設当初から携わっておられる方もおられ、150人以上の参加者で賑わっていました。
そんな記念すべき今回の出演は、演劇人冒険舎の「ねがいごとパズル」でした。
この「ねがいごとパズル」は、「劇団、あおきりみかん」の鹿目由紀さん作、演出による冒険物語です。
この1時間半の劇は、5人の出演者で演じられ、場面展開が早く、影絵あり、絵本の世界への瞬間移動ありと、飽きることなく大人も子供も楽しめる劇でした。
ストーリーは、劇の主人公であるユウスケが、絵本の「三つのねがい」の中に入り込み、絵本の主人公である由作と一緒に旅をします。
ユウスケと由作は、旅で願いを叶えてくれる仙人を探し当て、仙人に「願いは三つしか叶えることができない」と告げられます。
由作は、いつも母親から「人の頼みは聞くものだ」と言われていたので、仙人にまず他人の願いを三つ叶えてもらおうとします。
そして、「お母さんの目を治したい」という自分の願いを後回しにするのです。
由作のそんな態度にイライラしたユウスケは、先に願い事を言ってしまい、大波乱が‥‥‥。
結局、母親の目も治り、めでたし、めでたしなのですが、「心からの願いを見つけること」、「それを叶えるために努力すること」、それらの大切さがヒシヒシと伝わってくる内容でした。
観劇していた子供たちも、食い入るように舞台を見ていたようで、それは自分自身が絵本の中に入り、まるでユウスケと一緒に難問を説いているかのように考えたり、口々に意見を言い合ったりするのです。
今回のように大きな会場ではなく、すぐ手の届くところでの演劇は、物語をより身近に感じることができていたように感じます。
20年もの長きに渡って、途中に何度か解散の危機を乗り越え、「地域で生の舞台芸術と触れ合える機会を作るため」との思いを消すことなく続けてこられたことに頭が下がります。
これからも、末永く続けられることを願って止みません。
フレー! フレー! 勝山子ども劇場!(字余り)
興味のある方は、勝山子ども劇場事務局(電話:0779-87-1011)まで
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