« 2010年6月 | メイン | 2010年8月 »

2010年7月

2010年7月15日 (木)

第2回「布教大会」終わる

7月9日、福井別院にて今年度第2回目の「福井教区布教団主催による布教大会」が開催されました。

ここ2~3年前から、福井教区布教団より届けられる資料には、「寺族婦人もお聴聞を」との一文が添えられています。

そんなこともあって、さらに今回は、敦賀のM寺さまのT女史が「布教師になられて初のご法話をされる」ということも重なり、「それなら何が何でもお聴聞を」と出掛けてまいりました。

(エッ? 「何が何でもが多すぎる」って? まあいいじゃないですか)

とはいっても、M寺さまのT女史は大先輩で、私たち夫婦が吉崎に住んでいた頃から親しくお付き合いをさせてもらっている方です。

それは、T女史とご主人(存命だったご住職)とが、仲良く陶芸をされていた頃のことですので、もうかれこれ20数年前になります。

そんな敦賀のM寺さまへは、子連れで泊めてもらったこともあったのですが、最近はご無沙汰ばかりで、電話でお話する程度になっていました。

T女史は、40代でご主人(ご住職)を亡くされ、落ち込んでいる暇もなく、教師資格を取得され住職となり、そして、なんと布教使の資格までも修得され、モー「凄い」としか表現できない方です。

Img_1314

お寺の切り盛り、子育てと住職の両立、それは大変なご苦労があったと思います。

今回の布教大会では、午前中に2名の布教使が、午後からも2名の布教使が、30分~40分のご法話を1席されます。

そして、T女史は「初法話」で、しかも「トップバッター」です。「さぞかし緊張されるだろう」と心配しておりました。

しかし、緊張されていたのは最初の少しだけで、その後はユックリ落ち着いてお話になり、私などはすっかり「T女史ワールド」に引き込まれていました。

T女史は、「寺の住職としての務め」と「一家の長としての務め」との狭間に揺れながら、子育てしてきた実体験をお話しされました。

ご主人(ご住職)がご往生された当時、まだ小学生だった娘さんとの2人暮らしでの大変なご苦労、そして、学校でのいじめとも思える事件を親子二人で乗り切った実体験が、私の心に深く残りました。

私は、「阿弥陀如来さまにおまかせ」、「仏さまが見ていてござる」、「お父さんが見ていてくれる」などの言葉が「親子二人の生きる力となって働いて下さった」と感じました。

それは、ご主人は「死んでお終いのいのち」を生きたのではなく、「死んでなお残された私たちを守り、育て、導く仏さまになってくださった」との感謝いっぱいのお話でした。

T女史のご法話後も、3名の布教使によるご法話をお聴聞させていただき、ドップリとご法義に浸った一日でした。

T女史を始め、ご出講された布教使の皆さん、本当にありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

2010年7月12日 (月)

施設訪問

今日は「介護老人保険施設 鷲巣苑」の法話会に寄せていただきました。

こちらの鷲巣苑へは、ずいぶん前から(十年近くでしょうか…)ご縁をいただいています。

Dsc00740_2

鷲巣苑では、入所者約60名の他、市内外からデイサービスで、数十名の方々が利用されています。

法話会は、三階ホールにて皆さんご一緒に「正信偈」のお勤めをし、ご法話を1席します。

皆さんご高齢で要介護の方ばかりですが、大きな声でお勤めを唱和される姿に触れ、「これはきっと幼少の頃からお勤めをされていたから」と思え、お育ての大切さを知らされました。

Dsc00730

今日のご法話のテーマは「感謝と慈愛」です。

  • 人間にとって大切ことは、報恩感謝を忘れないこと、そして、相手に慈愛をもって接することが大切です。
  • お念仏のみ教えを聴聞することは、「阿弥陀仏の大慈悲心を学ぶこと」であり、仏の大悲によって「生かされている喜び」と「他のために尽くす心」が育てられます。

例話を通し、そのような内容のお取り次ぎをさせていただきました。

Dsc00732

皆さん、ご法話にうなずきながら、そして、お念仏の声も絶え間なくホールに響き、美しく老いる姿を感じたことでした。

鷲巣苑の職員の皆さん、今日もお世話になりました。

2010年7月11日 (日)

利益第二主義

皆さん「AZスーパーセンター」をご存じでしょうか?

この「AZスーパーセンター」とは、「生活必需品のAからZまでを全てを揃える」という意味で名付けられ、日本では2番目の「24時間営業の大型スーパーセンター」なのです。

不況下で売上が減少しているスーパーマーケット業界の中で、この「AZスーパーセンター」の売上高は、年に100億円を超えるそうです。

また、ひとつの店舗で「ゆりかごから墓場まで」を体現するかのような膨大な品揃えをを誇り、その店舗の大きさは「東京ドームの約4個分」もあり、「店舗の端から端までは200M」もあるそうです。

こんな巨大な店舗は、想像もつきません。

そして、こんな巨大な店舗が、「人口わずか2万7千人の過疎の町、鹿児島県阿久根市に開業していて、週末には約3万人、1年間には約650万人が来店する」というのですから度肝を抜かされます。

Az
AZスーパーセンター 阿久根店

それは、現在、勝山市の人口が約2万7千人ですから、ちょうどこの私たちの住む勝山市に「AZスーパーセンター」があるようなものですよね。

いかがでしょう、勝山市にこんな巨大な店舗があることをイメージできます?

さらには、こんな巨大な店舗が現在、鹿児島県内で3店舗もあり、新たに「鹿児島県に4号店を、宮崎県に5号店を出店する予定」というのですから、その勢いに驚いてしまいます。

そして、その「大型スーパー」の経営者の娘さんが、なんと不思議なご縁で勝山に移り住んでおられ、有り難いことに我が「四葉のクローバー会」のメンバーにも加入されておられるのですよ。

過疎化と高齢化が進む田舎町に、年中無休で24時間営業の巨大スーパーを出店させ、成功させた「AZスーパーセンター」の経営者の娘さんがです。

さて、その「景気」や「立地」に左右されない「AZスーパーセンター」の躍進の秘密は、「地域の生活者に貢献することを第一」に考え「利益は二の次(利益第二主義)」という企業理念によります。

 ・地域の生活者を優先する店舗に
 ・田舎だから価格も安く、何でも揃う店舗に
 ・いつでも開き、賑やかで楽しい店舗に
 ・弱者にやさしい店舗に

経営者は、「損得」よりも「善悪」を優先する小売店を目指されたのです。

確かにその「企業理念」は立派ですが、「いざ実践する」となると臆してしまう「人間の弱さ」は、現実生活のあらゆることに通じるのではないでしょうか?

今の政治と政党、企業、教育、福祉、そして、日々の生活、ことさら「思い」と「現実」のギャップに打ちのめされているのは、この私自身かもしれません。

その「企業理念」を難無く実現された、いえ、大変なご苦労があっての成果でしょうが、現にこうして「利益第二主義で成り立っている実例」を知らされ、「ウーン、世の中、まだまだ捨てたものではないないなー」と、嬉しく思いました。

お尻の重い私(フットワークが悪いって意味ですよ)は、「ヨシッ! 私も何かやってやろうではないか」と思っても、なかなか行動には移せません。

 ・都会から見放された過疎地でも
  人々が便利に生活できるようにお手伝いする

まさに理想です。

たとえば、「高齢化が進む町に立地」ということで、「AZスーパーセンター」へ電話予約すれば、片道100円で自宅へ送迎してくれる「買物バス」のサービスも実施し、購入した商品は自宅まで運んでもくれるそうです。

この「買物バス」のサービスなどは、もう「一企業がする領域」をはるかに超えていて「行政がしなければならない分野」といえます。

そして、この「AZスーパーセンター」では、「もっと、もっとすごい!」と思えることをたくさん実践されています。

関心のある方は、「牧尾英二著 過疎地の巨大スーパーAZの成功哲学 利益第二主義」をご一読くださいませ。

Az_3

う~ん、ほんとにすごいぞ、AZスーパーセンター!

2010年7月 9日 (金)

越中おわら風の盆の旅

7月6日(水曜日)は、年に一度の「福井教区寺族婦人の研修旅行」でした。

今年の研修旅行のメイン企画は、「風の盆」発祥の地でもある富山市八尾町の聞名寺様への参詣です。

かねがね、「一度、本場で、生の踊りを見たい」と思っていましたので、研修旅行募集の知らせに「ヨシッ!何が何でも行くぞ」と、すぐさま申し込みました。

きっと、皆さん、思いは同じだったんでしょう。旅行の当日、急に都合が悪くなった方もありましたが、「40名の定員一杯の参加」という盛況ぶりでした。

福井より富山までの行程の3時間半は、アッという間に過ぎ、最初の目的地、聞名寺様に到着し、まずその伽藍の立派さに、ただただ驚くばかりです。

Img_1294

聞名寺様では、ご住職の霧野雅麿様のお出迎えを受け、一行は堂内に案内され、最初にお寺の歴史を伺いました。

Img_1293

聞名寺様が、三方を崖に囲まれたこの地に移られ、建立されたのは460余年前とのことです。

そして、聞名寺様の開基は、なんと720年ほど前にさかのぼり、第3世、覚如上人のお弟子となられた「覚淳」といわれる方だそうです。

開基の覚淳様は、美濃で道場を開き、続いて飛騨に拠点を移し、その後、戦国末期の不安な情勢から逃れるように、現在の地、八尾町に移られたそうです。

そして、この八尾町は、聞名寺様の門前町として栄えます。

以来、時の有力者と親交を重ねながらも、名もなき庶民たちの「心の支え」、「心のよりどころ」となり、脈々と存続してきたとのことでした。

そして、いよいよご住職の説明は、「おわら踊り」についてです。この「おわら踊り」の歴史は、意外と浅く「昭和になってから」とのことです。

いくつかのイベントに合わせ、「この八尾の町に何か代表となる踊りを」と考えられ、改良も重ねられ、現在に至っているとのことでした。

ことにここ数年は、テレビや、歌本などで用いられたため、アッという間に「おわら踊り」が、全国に知れ渡ることになります。

9月1日~3日の「おわら踊り」の本番「町練り」では、普段4500人ほどの八尾の町が、何十万人の観光客でひしめき合うそうです。

開催期間中は、トイレに行けないほどの人ごみで、肝心の「おわら踊り」を見ることができない観光客も多いとのことでした。

この「おわら踊り」の由来は、養蚕で生計を立てていた庶民が、お盆の時期は忙しくてお墓参りさえもできず、9月に入って秋風が吹くころにようやくお盆が迎えられたことから「風の盆」と言われるようになったそうです。

聞名寺さまのご厚意で、本堂で「おわら節」を見せていただきました。

Img_1298

この「おわら踊り」には、「勇猛な男踊り」と「上品な女踊り」があります。

Img_1297_3

Img_1301

しなやかで優雅な「女踊り」は、編笠をかぶり、踊り手の顔が見えない所もあって、かえって艶っぽく映ったのは、私だけでしょうか?

これは、「編笠をかぶれば、みんな平等に、遠慮なく踊れるだろう」との配慮からだそうです。

そして、男性の力強く、歯切れのよい「男踊り」は、艶やかな「女踊り」とのコントラストがとてもマッチしていて、それはそれは素敵でした。

実際に拝見するまでは、「覚えて帰って踊ろう」などと、大胆不敵なことを思っていました。

しかし、踊りをマスターするには相当な練習が必要なことを痛感し、すぐに「これは絶対に無理」と諦めました。

こんなにゆっくりとお寺の本堂で、それも目の前で、生の踊りを拝見でき、最高の旅行となりました。

今回、「福井市のT寺様と聞名寺様がご親戚」ということで、本当によくしていただきました。

聞名寺様を後にし、観光会館で5月3日に行われる曳山祭の三基の曳山を見学し、八尾の街も散策しました。

八尾の街は、門前町、城下町の古いたたずまいを残し、電線は地中に埋めてあり、除雪溝を流れる水は「せせらぎの音」とも化し、風情をかもし出していました。

Img_1306

こうして楽しい研修旅行も無事終わりました。お世話してくださった役員の皆様、温かく迎え入れてくださった聞名寺の皆様、本当に有り難うございました。


2008年9月3日、雨が降り続く、越中八尾のおわら風の盆にて
聞名寺で行われた聞名寺風の盆講中の方々による舞台踊り

2010年7月 5日 (月)

法水情報

各地で大雨の被害が出ている中、5日(土曜日)には、この奥越地方にも「大雨洪水注意報」が発令され、結構な量の雨が降ったのですが、翌朝には霧雨に変わっていました。

西宮寺の近くを流れる九頭龍川には、普段の3倍ぐらいの水量があり、濁流は渦巻き、降水の多さを物語っています。

Img_1259

さて、4日(金曜日)の午後1時半から4時まで、「福井教区 龍川組(りゅうせんそ)の仏教婦人大会」が、勝山市内のS寺様を会場に開催されました。

私たちの所属する龍川組では、3年前に3つだった仏婦から1つ増えて4つとなり、これで全寺院の坊守が参加して活動できるようになりました。

参加してみて、「今まで3仏婦で、年間を通してこれだけいろいろな行事をされていてのだなあ~」と、そのご苦労が身に染みます。

当然のことですが、「見るのと、するのとでは、大違い」で、ただただ敬服するのと共に、遅ればせながら「精進していこう」と思いました。

よくよく観察すると「法座のご縁」は、結構いたる処にあるんですよね。

でも、「皆さんが『お寺へ行って聞法しよう』という気になってくださるか?」が問題です。

当日も、あいにくの小雨の中、50人ほどの方が参加してくださいました。

こうして参加し、お聴聞すると、「ああ、そうだな」と頷き、「参加してよかった」と思うのです。

ですが、「もし私が坊守という立場でなかったら、このように色々なところへ出向き、行動を共に出来ただろうか?」と考えると、改めてお寺へ嫁いだことが、この頃「チョッコシ良かったなあ~」と思えてきます。

いや、いや、それは違うかも? 私は「重症患者」なので、きっと「坊守」という形で「お寺へ入院させられた」のでしょう。

今回の「龍川組 仏教婦人大会」では、仏婦会員による献灯、献華、献香、音楽礼拝の後、S寺若院のF師による「後ろ姿」と題してのご法話を頂きました。

Img_1280

Img_1279_2

  人の目ばかりを気にし、人のせいにし、「悪いのは私じゃない症候群」に
  とりつかれているのは、「他人ではなくて、この私だった」と気づかせて
  もらうのが、仏の智慧に遇うことだ。

  そして、毎日の頷きの中で、お念仏される後ろ姿を通して、親鸞聖人から
  750年もの間、お念仏が伝わってきたことであります。

  さらには、またそれを喜ぶことが、子や孫に伝えることになる。

F師は、このようにご法話を結ばれました。

おかげさまで、今日も半日、「阿弥陀さまの法水」に遇うことができました。

砂漠のように「お念仏渇水警報」が出っぱなしの私です。

この時期に「降雨情報」を注目するように、また今度はどこで「法水情報が出るか」を逃さずチェックし、乾かぬよう浸り濡れたいと思います。

2010年7月 1日 (木)

家庭法座 No.242 号

蓮の葉に 雨つぶ集め まるくなる

新盆の季節になりました。この時期に蓮の花が咲きます。

蓮には、うちわのような大きな葉があり、その葉の表面には、細かい毛が一面に生えています。

蓮の葉の上に落ちた雨つぶは、葉の表面にたまって、少しずつ大きな玉となって転がります。

Photo

激しい雨も、しとしと雨も、皆同じように受け止められて、丸くなります。

まるで仏さまのように、すべてを受け入れて、抱きとってくださる大慈悲心のようです。

No242
家庭法座 No.242号

今月の行事 7月14日(水曜日)夜7時半より
                墓参会法要 本堂で読経法話

      7月20日(火曜日)年前、午後
                常例法座 吉崎肉付面の願慶寺様

皆さまお誘い合わせの上お参りください